冷えに対する東洋医学的な対策

福岡県大野城市のくわの鍼灸院です
まだ日中は暑い日が続きますが、朝晩は随分と涼しくなってまいりました。そうなると冷え性で悩まれ得る方が増えてきます。
冷え性は、多くの人々にとって身体の不快な症状の一つです。肩こりや腰痛を誘発し、慢性の関節痛などをお持ちの方にとっては辛い季節になってきます。しかしながら、鍼灸や整体は冷え性を緩和するために非常に有効な方法として知られており、その視点から冷え性の方々に役立つ情報を提供したいと思います。
冷え性の原因
まず、冷え性の原因を理解することが大切です。冷え性は、以下の要因によって引き起こされることがあります。
血液循環の低下: 加齢や運動不足、体を冷やす食べ物の取りすぎなどからくる血液の循環の低下で体温を適切に保つことが難しくなります。
気の滞り: 東洋医学では、「気」(氣)の滞りが冷え性を引き起こすと考えられています。
腎の虚弱: ここでいう『腎』は西洋医学の腎臓ではなく東洋医学での『腎』ということを踏まえた上で、腎の機能が低下すると、体のエネルギー供給が不足し、冷え性が生じやすくなります。
東洋医学では腎臓は単なる臓器としての機能だけでなく、体のエネルギーや生命力の中心とされて
おり、健康を維持するために重要な役割を果たすと考えられています。
東洋医学において、腎臓は以下のような概念と関連付けられています。
腎臓は先天の資源の貯蔵庫: 東洋医学では、腎臓は生まれつき持っているエネルギー(先天の気)を貯蔵し、維持する役割を担っています。この先天の気は、体の成長、発達、免疫機能、生殖能力などに関与します。
腎臓は体の根本的なエネルギー源: 腎臓は身体のエネルギー源であり、体内のエネルギーバランスを調整します。腎臓の気は、他の臓器や組織にエネルギーを供給し、体の機能を支えます。
腎臓は加齢と関連: 東洋医学では、腎臓の気は加齢と関連し、年齢とともに減少すると考えられています。このため、加齢に伴って体力の衰えや健康問題が増えるとされています。
腎臓は精神的な健康にも影響: 腎臓の気は身体だけでなく、精神的な健康にも影響を与えるとされています。東洋医学では、腎臓が強いと意志力やストレス耐性が高まり、逆に腎臓が弱いと精神的な不調が現れる可能性があるとされています。
東洋医学における「腎臓の弱さ」は、この腎臓の気の不足やバランスの乱れを指し、さまざまな症状
や体調の問題に関連付けられます。腎臓の弱さが生じる原因は、生活習慣、遺伝、環境要因、ストレ
ス、食事など多岐にわたります。
腎臓の弱さを改善し、東洋医学的な視点から健康をサポートするためには、適切な食事、生活習慣の
改善が考慮されることがあります。個別の症状や体質に合わせてアプローチを決定するため、専門家
の指導を受けることが重要です。
鍼灸の効果
鍼灸療法は、冷え性の改善に対して以下のような効果を持っています。
血液循環の促進: 鍼灸によって血液循環が改善され、体温の調整がスムーズに行われます。これにより、手足の冷えを緩和します。
気の流れの調整: 鍼灸は気の流れを調整し、気の滞りを解消します。体内のエネルギーが均等に行き渡るため、冷え性が軽減されます。
腎臓のサポート: 鍼灸によって腎臓の機能を改善することができます。腎臓の虚弱を補うことで、体温を保つ力が向上します。
主に使われるツボとして
足三里 位置: 膝の下3指分下、下腿部の前面。
効果: 全体的な体力を向上させ、腎臓の機能をサポートするツボとして知られています。体温を
上げるのに役立ちます。
太溪 位置: 足首の内側、アキレス腱のすぐ上にあるくぼみ。
効果: 腎臓の機能を高め、腰痛や腰の不調を緩和するのに有効です。
神門 : 位置: 手首の内側、小指の付け根にあるくぼみ。
効果: ストレスの緩和や不安の軽減に役立ち、腎臓の気を調整します。
腎兪 位置: 腰の中央、脊柱の両側にあるくぼみ。
効果: 腎臓の機能をサポートし、腰痛や腰部のこりを和らげます。
その他として足小陰腎経のツボを使うことが多いです
自宅でのケア
鍼灸治療を受ける間に、自宅でのケアも重要です。以下は冷え性の方が自宅で行えるケアの一部です。
適切な服装: 寒冷地域にいる場合や寒い季節には、適切な服装を心がけましょう。
温かい飲み物: 温かい飲み物を摂ることは体温を保つのに役立ちます。生姜やシナモンを含むハーブティーがおすすめです。
適度な運動: 運動は血液循環を促進し、体温を上げるのに役立ちます。ウォーキングやヨガなどを試してみましょう。
ストレス管理: ストレスは冷え性を悪化させる要因です。リラクゼーション法や瞑想を取り入れてストレスを軽減しましょう。
有効な食物; 五行という東洋思想のあらゆるものを五つに分けたカテゴリーで言うと腎は『色『黒』に分類されます。 なので腎を補うには黒い食べ物がいいとされています。
以下は、東洋医学における腎の補充に関連する一部の食材です。
黒ごま: 黒ごまは腎臓の健康に良いとされています。豊富なミネラルやビタミン、抗酸化物質を含み、体内のエネルギーを高めると考えられています。
アサイーベリー: アサイーベリーは東洋医学では腎臓に潤いを与え、精気を補充する食材として評価されています。抗酸化物質が豊富で、体の調和を取り戻すのに役立つと考えられています。
黒豆: 黒豆は腎臓に良いとされる食材で、腎臓の機能をサポートするために食べられています。特に日本の伝統的な食事に頻繁に登場します。
山芋: 山芋は東洋医学では腎臓を補強し、腎の気を高める食材として知られています。消化を助け、体内の水分バランスを調整する役割もあります。
牡蠣: 牡蠣には亜鉛が豊富で、亜鉛は東洋医学では腎臓のエネルギーを高め、性機能をサポートするのに役立つとされています。
クコの実: クコの実は腎臓に良いとされ、体内のエネルギーを高める助けになると考えられています。スープやおかゆに加えることができます。
松の実: 松の実には栄養が豊富で、腎臓の健康に寄与するとされています。エネルギー源として利用されます。
生姜: 生姜は東洋医学で気を温める作用があるため、体温を調整し、腎臓のエネルギーを高める助けになります。
冷え性の改善には時間がかかることがありますが、鍼灸はそのプロセスをサポートする重要な手段の一つです。ただし、個人の状態に合わせてのアプローチが重要となります。 よって専門の鍼灸師を訪ねることをお勧めします。健康的な体温調整を目指して、鍼灸療法を活用しましょう
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